こんにちは、パピオカメラです。今回は、ロシアの珍しいフィルム「SILBERRA COLOR160(35mmサイズ)」を使ってみたので、フィルムの特徴や注意点などについて、ご紹介したいと思います。
割と情報が少ないフィルムということもあり、かなり長めです。とりあえずパッと見たい方は、3の撮影した写真か5のまとめだけ見てみてください。
SILBERRA COLOR160 とは?
ロシアのフィルムメーカー、SILBERRA
ちょっと聞きなれないフィルム名なのですが、SILBERRA(シルベラ)はロシアのフィルムメーカーだそう。
2017年からフィルム生産の準備に掛かり、2018年正式にフィルム出荷を開始した
ロシア・サンクトペテルブルクに本社を置くフィルムメーカーSILBERRA(シルベラ)フィルム
2018年出荷開始と、割と最近のフィルムメーカーのようです。
SILBERRAの公式HPもあります。⇩
英語なので、何とか読めました。
カラーネガフィルム、SILBERRA COLOR
感度
SILBERRA COLORは、50、100、160の3つの感度展開があるようですが、私は160を選びました。
なんでかというと、単純に青い箱になんか呼ばれたから…
ISO感度160って珍しい感じですけど、PORTRAも160はあるので、そんなに違和感なく使えました。
サイズ
35mmバージョンと120mmバージョンがあります。
普通のフィルムカメラ(二眼とかじゃなく)の場合は35mm(135)を選んでください。
SILBERRA COLORのフィルムの説明ページもあります。⇩
さっと翻訳にかけてみましたが、割と変な日本語になっていないので、おおむね理解できます。注意点は、上のページにほぼ書いてありますが、この記事でも説明していきますね。
販売店
販売店は⇩こちらに記載がありました。
上記サイトによると、現時点で日本ではかわうそ商店さんとチャンプカメラさんが販売店となっています。
かわうそ商店さんのオンラインショップを見てみると、現時点ではSILBERRA COLOR160 は35mmサイズは出品されていませんでした。(ブローニーサイズのみのお取り扱いでした。)
なかなか入手するのは難しそうですね。
ネット情報をいろいろ見てみると、もう生産していないみたいなことも書いてありましたが、公式サイトだと「back in stock(再入荷)」と記載あるので、まだ作っているのかな?
いずれにしても、ロシアのフィルムということもあり、手に入りにくいのは間違いないです。
チャンプカメラさんは店舗(横浜)に在庫があるかは不明なので、あったらチェックしてみてください。
フィルムパトローネとDXコード
フィルムパトローネはこんな感じ。
フィルムパトローネには、手作り感ある?DXコードのシールのようなものが貼られていました。
DXコードはフィルムの感度や枚数などの情報をカメラに伝えるものです。DXコードがないと、オートのカメラでは使いにくいです。
このフィルムはDXコードがついているので、オートのカメラでも使いやすいですね。ちなみに今回オートの一眼にフィルムをいれていましたが、感度はちゃんと読み取れていました。
撮影機材
全自動の一眼とマニュアルのオールドレンズを使用しました。
そのままではカメラにレンズは取り付けられないので、マウントアダプターをカメラとレンズの間にはさんでいます。
おおむね、Avモード(絞り優先機能)で撮影しました。
桜などをボケ感を取り入れて撮りたかったので、このフィルムをいれるカメラに一眼を選びましたが、コンパクトカメラでももちろん使えます。
【写真】2023年春の東京と長野の撮影
このあと撮った写真を載せていきます。
春の東京(スカイツリー~浅草寺)
おそろしいまでの曇天でした。
↓
iphoneで撮った写真(動画の切り抜き写真)と比較
iphoneのほうを見ると、いかに天気が悪かったかわかると思います。
フィルムで撮ったほうは、明るめに撮れているので、曇天感が和らいでいるかなという気がします。
スカイツリーから歩いて浅草に移動しました。
スカイツリー~浅草
↓
iphoneで撮った写真(動画の切り抜き写真)と比較
すごい賑わいです。久しぶりにいきましたが、外国人観光客がものすごく増えているのを実感しました。あと、食べ歩きのお店が増えていたり、かわいい着物に着替えて歩いている方も多かったです。
↓
iphoneで撮った写真(動画の切り抜き写真)と比較
浅草寺周辺
ここまで写真を見てみて、なんか全体的にピンクみある感じですよね。
春の長野(上田)
上田城址公園
↓
iphoneで撮った写真(動画の切り抜き写真)と比較
この駅舎の横の桜が伐採予定だったため、見に行きました。
この写真特にピンク色なのですが、左側をよく見てみると、うっすら光線が入っています。(赤色の帯のような光)
カメラが故障しているとかモルトが劣化しているとかではありません。
この光については最後考察を書きます。
信州国際音楽村
まだまだ写真はありますが、これくらいにしておきます。
写真の感想
全体的な感想を言うと、
・淡い
・たまに光線漏れしている
・ピンクみがある
・ざらっと感ある
という感じです。
光線漏れについては、「フィルム使用上の注意点」の項でまた説明します。
ピンクっぽいのは光線漏れの影響もあるのかなと思ったのですが、公式ページにも「マゼンダ*1の色に変化することがある(日本語訳)」といった記載があるので、そういう特徴はあるのかなと思います。
Lomographyのサイトでほかの方が撮影した作例を見てみても、おおむね上記のような特徴はあると思います。【参考】フィルム: Silberra Color 160 · Lomography
フィルム使用上の注意点
光漏れ対策と現像に出す際の注意点を記載します。
【注意点1】光漏れの考察と対策
写真のコメントにも記載しましたが、数枚端のほうに光漏れと思われる赤い光の帯がありました。
少し長くなるので、対策まとめはこちら
最近になって気づいたのですが、この件について公式ページに書いてありました。
まずは原文まま。
Meanwhile we use refurbished cartridges for our films and as color emulsion is quite sensitive, you may find some color leaks within first frame. Please keep it in mind, especially when loading the film into your camera under direct sunlight. To minimize or avoid the light leaks don't forget that loading the film in subdued light (you may always use your own shadow, in case there is not a single shaded place around you) is really good idea.
英語読むの大変なので、上の文章をGoogle翻訳にかけたままの文章も載せておきますね。⇩⇩⇩
一方、当社のフィルムには再生カートリッジを使用しており、カラー乳剤は非常に敏感であるため、最初のフレーム内に色漏れが見つかる可能性があります。 特に直射日光下でフィルムをカメラに装填する場合はご注意ください。 光漏れを最小限に抑えるか回避するには、フィルムを控えめな光の中で装填することを忘れないでください (周りに日陰の場所が 1 つもない場合には、いつでも自分の影を使用できます)。
公式のサイトに記載されていた通り、SILBERRA COLOR160で撮影した一枚目写真は特に真っ赤でした。
要するに、通常のフィルムより感光しやすいのだと思います。
対策まとめ
このことより、このフィルムを使用するときの、光漏れ対策としては以下3点が考えられます。
- フィルムパトローネ自体に光を極力あてない。(撮影前、撮影後の保管時も)
- 一枚目写真に大事な写真は撮らない
- フィルム確認窓はふさぐ
各項目、詳細を記載していきます。
①フィルムパトローネ自体に光を極力あてない。(撮影前、撮影後の保管時も)
このフィルムのパトローネ(フィルムが入っている筒のこと)が脆弱かどうかはわかりませんが(しっかりしているようには見えました)、フィルム自体が感光しやすいのだとすると、通常のフィルムよりは慎重に取り扱う必要があると思います。
②一枚目写真に大事な写真は撮らない
公式ページに最初のフレーム内に色漏れが見つかる可能性があると書かれている以上、一枚目は赤くなりやすいのだと思われます。
逆に赤くしたい写真があれば、一枚目に撮れば成功するかも?
③フィルム確認窓はふさぐ
光に敏感なフィルムの場合、フィルム確認窓からの弱い光でも感光すると聞いたことがあるので…
裏蓋を開けなくても、フィルムが入っているかを確認できる窓です。
オートのフィルムカメラなら、大体ついています。
今回使用したカメラ「Canon New EOS Kiss」もフィルム確認窓があるので、外からパーマセルテープのような黒いテープか何かを貼ってふさぐべきだったと思います。
【注意点2】現像を出すときの注意点
SILBERRA COLOR160はC-41という一般的なカラーフィルムの現像処理方法です。
が、フィルムの詰め方が特殊なのか、いつも出している現像店ではプラス料金がかかりました。
SILBERRA COLORに関わらず、珍しいフィルムの場合、現像に出す前にはお店に、現像できるか、料金は変わるかなど確認したほうがよいです。確実なのは、フィルム購入店で現像することかと思います。
【まとめ】SILBERRA COLOR160の特徴
主観が入りますが、SILBERRA COLOR160について調べたことや、実際に使ってみて感じたことなどをまとめます。使用は一度だけなので、別のレンズを使ったり、フィルムの状態などにより撮れる写真はまた変わるかもしれません。
SILBERRA COLOR160とは
撮れる写真の感じ
- 淡く柔らかい感じ
- ピンクみがある
- ざらっと感
- たまに光線漏れがはいる
撮れる写真の感じから、合いそうな被写体を考えてみました。
- 桜
- 春の景色
- レトロな感じに撮りたいもの
たまたま春に使用しましたが、春の温かく儚い雰囲気にすごくあっていると感じました。
フィルム取り扱い注意点
つぎに注意点まとめ。
- 光漏れ対策が必要(赤い光がたまに入るのが嫌な場合)
- 現像に出す際は、現像可能か、プラス料金がかかるかなど、確認したほうがよさそう。
1については、「写真が真っ白でまったく撮れていない」というほどの感光ではなく、赤い光がたまに入るという程度なので、逆に赤い光があったほうがよいという方は、あまり考えなくてもよいかも。
さいごに。
ロシア発の珍しいフィルム、「SILBERRA COLOR160」。いかがでしたか?
ちょっと扱いはより丁寧にする必要がありますが、面白いフィルムですね。
使用は一度だけなのですが、今回現像した分は光漏れがあったとて、結構好きな感じでした。
あまりレビューが多くないフィルムなので、細かく記載してみましたが、どなたかの参考になればうれしいです。
また、このフィルムについて深い知見をお持ちの方がいれば、コメントなどで教えていただけたら幸いです。